古い映画ではあるが、独特のセンスとユーモラスを美しく扱った作品

「厳重に監視された列車」はチェコスロヴァキアの1966年作品。

第二次大戦下、ナチス・ドイツに占領されたチェコ。

父親の跡を継いで駅員となった青年、ミロシュはまだ童貞。

童貞を捨てたいと、車掌マーシャとの一夜に臨むが、残念ながら不発に終わり、絶望する。

そんな彼に手ほどきをしてくれる謎の美女。
"勝利と自由"と呼ばれる彼女は、駅を通過するドイツ軍の軍用列車を爆破する命を受けたレジスタンスの闘士だった。

66年の制作で、「プラハの春」よりも以前の作品。
メルツェルの名前を世界に知らしめた代表作。

新米の駅員の性の悩み、そして忍び寄る戦争の不穏な時代をメンツェル監督ならではの、独特のユーモラスなタッチで描いている。

チェコにしろポーランドにしろ、侵略され続けた悲運の国ではあるが、それでも芸術は守り通し、国の誇りにした。そこは日本で見習うべき国の姿勢である。

日本の映画がアメリカナイズされすぎて、創る側も観る側も感覚が日本人らしさが失せてしまっている。

特にポーランドの最近の映画は秀作が実に多い。

このチェコ作品には、戦争の悲劇と若者の性の悩みを同時に描いているところがユーモラスでもあり切なくもあることが、妙に現実的に写ってしまう。

「生と死とSEXと戦争」が拡がりをもって、平和を訴えているではないか。



映画「厳重に監視された列車」
(1966年チェコスロヴァキア作品)
監督/イジー・メンツェル
出演/ヴァーツラフ・ネツカーシュ、イトカ・ベンドヴァー、ヨセフ・ソムル/他

Oimachi Act./おい街アクト

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