女性監督が描く娘、母親、父親、母親の昔の恋人の関係を色分けすると、かなり手強い。映画「アフター・ウェディング」

デンマークの女性監督、スサンネ・ビアが描く人間ドラマ。

マッツ・ミケルセンがここでも個性的な役を上手にやりこなしている。彼が果たして良き人なのか、女性に対しては良き男でなかったのか?ここの謎が解けないままに映画は終わる。

表向きは裕福な家庭に生まれ、何不自由なく育ったヘレネは、育ての父の会社に勤める若き男性と幸せな結婚を迎えようとしている。

母親の昔の恋人、マッツ・ミケルセン演じるヤコブとの間に出来たる子供がヘレネであったが、ヤコブはそれを知らされずインドで孤児院を営み、多額の寄付金をヘレネの育ての父親に申し入れていた。

娘の結婚式が引き金になって、すべての価値観が変わってしまう。

育ての父親、実の父親、恋人であって今は娘の母親であり妻である女性、そんな中で実の父親もやはり求めようする娘、結婚式は壊滅するも、新しい喜び、幸福感が芽生える一方で、どうしようもない悲壮感、運命を嘆く育ての父親、これもまた神のなさる業か。

なんと人間は孤独なのだろう。
なんと人間は不平等なのだろう。
自らが運命を切り開いているようで、それは神が与えた幻想でしかないのかもしれない。

すべて結果が同じでないように、その違いは誰が作為しているのか、神によって人間は救われるようで、救われていないのでは?愛も神も信じられなくなった人間は何にすがりたくなるのか?

映画「アフター・ウェディング」
(2006年 デンマーク作品)
監督/スサンネ・ビア
出演/マッツ・ミケルセン、ロルフ・ラッセゴード、シセ・バベット・クヌッセン/他

Oimachi Act./おい街アクト

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