弱者と強者の対比がスゴい。もう、日本では出来ない作風かも

鉄道保線員のペトロフはある日、路線上に散らばっている大金を見つける。警察に届け出た彼に対して、国は彼に称賛して英雄扱いをして政治的利用を試みる。

彼に感謝の意を込めた新しい腕時計が贈られるシーンがテレビで放映されるが、彼がいつも愛用している腕時計を外させて預かった政府側の人間が、その時計を紛失してしまう。

労働者と、彼らの人間性を無視した政府の対応や非人道的な扱いをする官僚らの姿を、失くした時計を通じて描いていく。

弱者と強者のよく見られる関係をシンプルに描いた作品が、鉄道保線員のペトロフに障害を持たせたことにより、差別色の強い反体制色的な作品となっている。

日本では今は出来ないたぐいの作品だろう。


差別や偏見はもちろん日本以上の激しさがあるお国柄だが、映画は堂々と臭い物にフタをとって描いている。

日本人にも一考となる作品。


映画「グローリー/消えた腕時計」
(2016年 ブルガリア/ギリシャ作品)
監督/クリスティナ・グロゼヴァ、ペタル・ヴァルチャノフ
脚本/クリスティナ・グロゼヴァ、ぺタル・ヴァルチャノフ、デチョ・タラレジコフ
出演/クルム・ロドリゲス、ハリ

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