心の中の性と体の中の性の連立と分岐を巡る愛だの性だの……
SEXに対する好奇心は人によりかなりの差が
ある。
その差は大差であるのかもしれない。
その大差ともいえる違いを求めることの女性と、求めることのできない資質の女性がいるとするなら、男性も同じように生まれ持った資質により与えることの出来る雄と、出来ない雄がいるのだろう。
2019年5月12日に死去したフランスのジャン=クロード・ブリソー監督は、女優のオーディションで自分も自慰行為をするし、オーディションの一環として女優にも自慰行為をさせたという。
これが訴訟問題にもなり、フランス映画の活気ある側面を世に知らしめたと感心する。
欲望と妄想に取り憑かれた異才という肩書きを持つことになったブリソー監督は、
「白い婚礼」(1989年)、
「はじらい」(2006年)、
「ランジュ・ノワール」(1994年)、
「裸のめざめ」(2009年)
と、次々にエロティックな映画を撮り続けた。
ここで紹介するのは2009年作品の「裸のめざめ」。
主演女優はキャロル・ブラナ。
恋人とのSEXで満たされない彼女は、彼氏に
隠れて自慰行為にふけるのが当たり前になっ
ていた。
が、ある日、その光景を彼に見つけられてありのままの自分とSEXについて語る。
彼はプライドが傷つき、家を出ていく。
ここから彼女の未知の世界への旅立ちが始まる。
一人の老人との会話はやや哲学的であったり、SEXとスピリチュアルが最後には混同していったりして、SEXが変質してしまう。
ブリソー監督がエロスとスピリチュアルと哲学をもって、独自の世界観を展開していくことになるのだが、こうしなければ芸術的でなくなるのがSEXの真の姿であるのかもしれない。
映画「裸のめざめ」
(2009年フランス作品)
監督/ジャン=クロード・ブリソー
主演/キャロル・ブラナ、他
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