イーサン・ホークがいい役している。心温まるヒューマニズムなミュージシャンのストーリーかな
映画俳優はイメージと普段の顔がまるで違うことが多い。
それはイメージほどカッコ良い人ではないとか、思った以上に普通の人ぽかったりという場合がとても多い。
音楽の世界で言うなら、イメージを保たないと許されない、といった風潮があり、ミュージシャンはプライベートでもミュージシャンっぽくしておかないと許されない。そんなことが常識とさえ思われている。
そんな意味ではミュージシャンは作られたカリスマにくるまったピエロのような存在である人が多い。
X JAPANのHIDEがそうであるとレコード会社はしたかったが、僕との対談ではそれを僕が崩したような状況になり、HIDEは喜んだが、レコード会社は僕に怒り狂った。
ルースターズの大江慎也にしろ、矢沢永吉にしろ、素顔はとても面白い人であったりするものだから、マニアックなファンはそれを"許せない"という場合がある。
そんな意味ではミュージシャンの方が俳優より辛いかもしれない。
映画「15年後のラブソング」はとても共感を覚えることのできた内容だ。
ストーリーは、1993年に表舞台から消えたミュージシャンのタッカーが、熱狂的なファンから今尚、カリスマ性を求められている。
タッカーは、今の自分は決して"あの時代"のようには生きていけない自分と素直に認めて、一人の人間として、ありきたりの愛に喜びを感じる平凡な生き方しか出来ない。
それが自分のベストで素顔であることを自覚している。
根狂的なタッカーのファンの運営するファンサイトの男性と、そのパートナーの女性がある日、タッカーのデモテープを聴いて口論となり、ファンサイトに彼女の率直な意見が掲載される。
それをタッカーらしき人から「素直な感想ありがとう」とメッセージが入る。
そこからタッカーとは?ミュージシャンとは?
といったことに関するヒューマニズムなストーリーが映画として展開されていく。
イーサン・ホークのタッカー役がとてもいい。
映画「15年後のラブソング」
(2018年イギリス・アメリカ合作)
監督/ジェシー・ぺレッツ
出演/イーサン・ホーク、ローズ・バーン、
クリス・オダウド、他
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