自由を奪われた旧東ドイツに生きる女性の揺れ動く行き様は重い

ドイツ映画は永遠に娯楽作品を作れないのか
もしれない。
この映画も実にリアリティである。
ベルリンの壁崩壊の9年前。1980年夏、旧東ドイツ秘密警察による厳しい監視体制下の1人の女性を描いている。

彼女は医師である。

西側への移住申請を政府にはねつけられ、東ベルリンから左遷されて、田舎町にやって来た。

祖国を裏切った彼女は、"前科者"として、私生活は自由が奪われ、常に秘密警察の監視下にあった。

患者への献身と、医者としてのプライドだけが心の支えであり、心は堅く閉ざしている。

共に働く上司の医者としての姿に次第に尊敬の念を抱きつつ、一方で西ドイツへの逃亡計画も進めている。

西側で待つ恋人との生活を選ぶか、それとも東側に留まり、女医としての責務を貫き通すか…。

自由を求めたい。が、医者としての使命にも揺れるひとりの女性を描いた人間ドラマをじっくり味わいたい。
2012年ベルリン国際映画祭監督賞受賞。


映画「東ベルリンから来た女」
(2012年ドイツ作品)
監督/ワリスティアン・ペッツォルト
出演/ニーナ・ホス、ロナルト・ツェアフェルト、ライナー・ポック、他

Oimachi Act./おい街アクト

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