縁のない愛は壊れやすい
映画はある夫婦の離婚調停のシーンから始まる。
「出会わなければよかったのに?」
これが本作品のテーマでもあり、恋とは?
その結末とは?
何故、愛し合った2人が離婚に至ったのか?
と「恋愛はいつか終わるものだ」という結論からスタートし、そこに行き着く迄の様々な人生の流れを遡って、夫婦とは…。
フランソワ・オゾン監督の切り口が、フランス映画らしい恋愛劇を見せてくれる。
愛とはミステリー小説のようなもので、出逢いによって人生に事件が起こる。
まるで何の関係もない人間が運命的な出会いによって、殺人を犯したり、死別になったりしていく様と似ている。
死刑で見せしめとして犯罪を防ぐことが出来るか?
いや、出来ない。
死別も法の下による殺人であり、法の下により一般の人が仕事という名の元に殺人に加担していく。
恋愛もそういった運命によって燃え上がり、やがて冷めていく。
人が生きている限り、恋愛には終わりがある。
実にこの公式的な人生劇を理解するには、も
っと齢を重ねないと、"あなた"は受け入れるこ
とが出来ないかもしれない。
今が輝いている。そう、恋愛で2人が。
それが一番、いい時で、幸せである。
日本人がよく使う"縁の強い、弱いが、結局恋愛を左右している、と言った方が、若い人達は救われるだろう。
そう、縁が一番強いのだ。
映画「ふたりの5つの分かれ路」
(2004年・フランス作品)
監督/フランソワ・オゾン
出演/ヴァレリア・ブルーニ、ステファン・フレイス、他
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