父から娘へのメッセージは? 味の違うボクシング映画で秀作
父と娘。父と息子。
この映画は父と娘の"絆"をテーマにしている。
息子から見た父親と、娘から見た父親の違い
はありそうだ。
息子から見た父親は、父親を応援したい気持
ちで一杯になるのだろうか?
娘から見た父親は、あくまでも尊敬できると
か、頼りになる父親であって欲しいと思う気
持ちが強いのかもしれない。
こんな話は、実はもっと話す機会が人生ある
べきなのだろうが、どうも少ないようだ。
テレくさい、本音は言い辛い、今さら…、と。
ぜひ友達との会話でとりあげてみると、以外
に「ヘエ~」っというようなことを知ること
があると思う。
僕の父がガンのため永い間、病院に入院して
いた。
姉が大阪から里帰りを年に一、ニ度していた。
父が亡くなった年、姉と義理の兄にあたる姉
婿(あねむこ)が里帰りして、父に逢いに行った
そうだ。
その時、父は義理の兄に土下座して、「〇〇
さん、娘をよろしくお願いいたします」とお
願いしたと聞いた。
あの父が…。
娘と父の関係、息子と父の関係。
違うのだ‼と感じた。
この映画には、40代半ばを迎えた父親が娘の
ピアノに託した夢を叶えようと、"負け犬"呼
ばれしながら、ボクサーでなんとか稼いでい
る。
ピアノを習い、パリの学校に行きたいという
娘のために、たまに声のかかる試合に出たり、スパーリングの相手をして小銭を稼ぐ。
娘は父親のボクシングを見ていられない。
父親が負け犬呼ばれされるのが嫌だからだ。
負けっぱなしのボクサーの父が、最後の引退
リングでの引退試合―。
娘に言いたいことを老いた体で、ボクシングで、戦いで、一生懸命に伝えようとする。
この世の中の、すべての負け犬の父親に捧げたい珠玉の感動作だ。
映画「負け犬の美学」
(2017年フランス作品)
監督/サミュエル・ジュイ
出演/マチュー・カソヴィッツ、ビリー・ブレイン/他
0コメント