映画作りにおいては、お見事!やはり役者の格が違う
映画の題材としては決して強烈ではないもの
も、脚本の良さとセンスで良質な作品が出来
あがる。
さすがフランス映画だ。
フランス郊外の中学校を2年間かけて取材し、
監督自身が脚本を仕上げ、長編作品のデビュー作とした本作品。
名門校のエリート教師が政府の美人の役人と
知り合いになり、教育の国家的問題点を鋭く
指摘して、評論家を振る。
そこから彼のエリート人生が少し狂い、彼自
身が郊外の中学校に一年間、担任教師として行く羽目になる。
ありそうな話で笑えるが…。
そこは移民、貧困、学力低下などの問題が山積みにされている地域の中学校だった。
こうしてエリート教師の悪戦苦闘の一年間が始まっていく。
出演している生徒達には、実際に監督が取材した中学校の生徒を起用。
シリアスな問題を前向きに捉えて、エリート教師を通して描くヒューマニズムあふれた秀作に仕上がっているので是非ご覧を。
生徒達から先生が学ぶことが多いし、そうすることが出来た先生が望まれている教育の現場また会社、組織社会の問題としても訴えかけてくる内容だ。
本作品における社会問題はグローバル化する日本においてもすでに起こっていると思うが…。
映画「12か月の未来図」
(2017年フランス作品)
監督/オリヴィエ・アヤシュ=ヴィダル
出演/ドゥニ・ポタリデス、アブドゥライ・ディヤロ、他
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