役者が揃い過ぎても個性が生きている。これぞ名監督と名優の力量から

ブドウ園を経営する一族の身内の恨み憾みが募っている。
映画のストーリーのベースにあるのはサスペンス流の"血の濃さ"から来る人間模様と、そして子供の誘拐事件。

本作品の脚本を手掛けたのは、イラン人の映画作家アスヴル・ファルハーディー。
映画は出演者も含めて高い評価を得て、日本でも劇場公開された。
事件が起こる。誘拐事件は狭い国、田舎の地方で起こることが多い。
金を持っている人が誰であるか知られることから、身代金を人質と引き換えに、のパターンとなる。
日本の映画「天国と地獄」も、小さな街を舞台にした誘拐事件を描いた作品だった。

この手のサスペンス映画では、人間の心理の奥底を通して、深い洞察力で役者も演じていくし、監督もそれをうまく描こうとする。
観る人の心もゆさぶっていくなら、見事な作品といえる。
そこには必ず、ヒューマニズムの問題が加味されていく。
恨み憾みは人の不幸を喜ぶ怖さを秘めている。
人間の出来心は常日頃の生活の貧しさからくることもある。
この映画をじっくり観る。

"血の濃いさ"は、日本人の生き方にも通じるものがあると感じる。

映画「誰もがそれを知っている」
(2018年・スペイン・フランス・イタリア合作)
監督/アスヴル・ファルハーディー
出演/ぺスロペ・クルス、リカルド・ダリン、バルバラ・レニー、他

Oimachi Act./おい街アクト

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