ティルダ・スウィントンが出演しているからこそ、観る価値あり!!
アレクサンダー・トロッチの
原作小説「Young Adam」をデヴィッド・マッケンジー監督が2003年に映画化した作品。
邦題はセンスのない題名で「猟人日記」だ。
この映画でサスペンス色が弱くなっている。
主演のユアン・マクレガーのキャラクター色は、サスペンスだとは感じさせない何かがあるからか(?)。
共演でもあり主演でもあるのが女優ティルダ・スウィントン。
その存在感が強すぎて、ユアン・マクレガーが好青年に見えてしまう。
舞台は1940年代の末。
スコットランドのグラスゴーにあるクライド川に行き来する一隻の平底客船。
ここで住み込みで働く、作家志望の青年ジョーが、ある朝、若い女性の死体を引き上げるところから映画は始まる。
やがて、その船の持ち主であり、子供、夫のレズリーとそこで生活する妻、エラに青年ジョーは欲望を出していく。
小さな世界で絡んでいく男と女。そして女性の遺体をめぐる謎…。
サスペンスであるストーリーも、妻のエラとジョーのエロチックな関係が相乗効果を生んでいないのが、映画に対しての評価が低くなっている。
いわゆる監督のミス・キャスト(?)だろう。
共感できるのはスコットランドの川で生きて生活する労働者階級のネガティブな世界。
そこで繰り広げられるゴッテリした人間関係に味がある。
1940年代のイメージが映画から伝わってこないのが、一番のミスかも。
女優のティルダ・スウィントンの存在感が映画を引っ張っていくのは、お見事!!
1960年生まれで、いわゆる芸術家肌の女優で、「フィクサー」(2007年)でアカデミー助演女優賞を受賞しているし、パフォーマンス・アーティストの持つ"才女"。
映画「猟人日記」(原題:Young Adam)
(2003年イギリス・フランス合作)
監督/デヴィッド・マッケンジー
出演/ユアン・マクレガー、ティルダ・スウィントン、エミリー・モーニィマー、他
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