半世紀以上のロック・シーンを振り返った時の"答"は…
ライヴ盤がファンにとって貴重であることは言うまでもないが、一般的な音楽ファンにも評価が高いアルバムというのは数少ないものである。
バーズの後期の「タイトルのないアルバム」
(発売されたのは2枚組のレコードとして)の2枚組の一枚は、A面、B面ともにライヴ録音だ。
A面は「ラヴァ―・オブ・ザ・バイ・ユー」に
始まる。
B面は「霧の8マイル」が約30分にも及ぶライブ録音が成されている。
クラレンス・ホワイトのギター、ジーン・パーソンズのドラム、スキン・バッティンのベース、そしてロジャー・マッギンの12弦ギターがたっぷりと楽しめる。
バーズが70年まで進化しながら活動が続けられたのは、最高のライブ・バンドとしての実力が熟していったからであり、フォーク・ロックに始まり、カントリー、ブルース、ジャズの域にわたり、バーズの音楽として極め完成させた所以にある。
バーズは解散するが、そこから新たなる挑戦がロジャー・マッギン、そして他のメンバーで行われたからこそ、この21世紀、正確には2021年にも、バーズはアメリカにおけるロックの頂点であったと評される理由である。
ロック・バンドをどう評価するか?
好き、嫌いも、一つの評価の基準であろうが、ライヴが録音の音源より「勝る」素晴らしさであることが、揺るぎないグループの"力"であることは、言うまでもない。
ビートルズも良かった。
ジョン・レノンの音楽もいい。
イーグルスも素晴らしい。
……が、日本で本場アメリカの評価を正しく知ることは、不可能。
これはロックの歴史や、広く深い考察を追求しなければ至りつくことのない、"ROCK論"であろう。
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