門司港レトロのテーマ曲になる予定もあった。「アース・エンジェル」

白人コーラス・グループの中では、四声のハーモニーの美しさ、歌唱力、完成度が高く、いわゆるフィルスペクター・サウンドを施し、実力いちといわれたグループが、ヴォーグス。
ペンシルバニア出身の男性ヴォーカル・グループで、高校の4人の仲間によって1958年に結成された。
グループ名はその後、ヴォーグスとなり、1965年に「ユア・ザ・ワン」が全米4位の大ヒット。
この曲はペトゥラ・クラークとトニー・ハッチの共作。

その後、「ファイヴ・オクロック・ワールド」が全米第4位まであがる。
この2曲を聞く限り、当時のハシリ、フォーク・ロック・グループと日本では紹介されていたし、サウンドも確かにフォーク・ロックであった。

ところが、68年に「ふりかえった恋」がゴールドディスクとしてヒット。
同じく68年に「マイ・スペシャル・エンジェル」も全米7位にチャート・インされる。

ここではフォーク・ロックの色は薄れ、
いわゆる男性ヴォーカル・グループのヴォーグスとして完成している。

フィル・スペクター・サウンドは若いロック・ファンにも受けたようだ。
こうして69年に、黒人コーラス・グループのペンギンズで大ヒットした
「アース・エンジェル」(邦題は"砂の天使")を
ハーモニー、サウンド共に美しいアレンジを施してチャート・インさせた。
ペンギンズよりもヴォーグスの「アース・エンジェル」の方が好きだ!!
というファンもいるほど、美しいハーモニーでヴォーグスの代表曲とさえ言われている。

白人のコーラス・グループは甘いラブ・ソングを歌うために存在するといった方が間違いでないくらいに、ラブ・ソングしかヒットしないものだ。

この曲は北九州市の"門司港レトロ"のテーマ・ソングとして、弘田三枝子が発表する計画が進められていた、というエピソードもある。

ぜひ「アース・エンジェル」をヴォーグス版で聴いてみて。

Oimachi Act./おい街アクト

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