少年の両親への思いやりが映画のミソ
悪そうな人が実は良かったり、良さそうと思った人があまり良くなったり、とても悪かったり―。
人生で出逢う人を良いとか悪いとかで選ぶのは難しい。
同性でも異性でもだ。
それが兄弟であったとしても、恋人であったとしても、また親子であったとしても。
自分にとっての"好きな人"が良き人なのか、そうでないのか。
好き、嫌いと、良い、良くないはイコールではないし、自分を殺してまでの価値、意義、意味、道理がそこにあるのか、ないのか。それすら解からない。
この映画の主人公は9歳になろうかという少年で、
9年間で9度も死にかけた経験を持つ。
少年から見た父親と母親はどう映っているのだろうか?
少年はどうして9度も死にかける目に合ったのか?
9歳の誕生日に両親と一緒にピクニックに出かけた。
場所は海辺。
楽しいはずのピクニックで、父親と母親がなにやらケンカを。
9度目の事故は起きてしまった。
少年は断崖絶壁から転落するというハプニング。
病院に運ばれ、彼を救おうとする医師。
やがてこの少年が謎に包まれていることに気付いた医師は、その秘密を解き明かそうとしていく。
少年が以前かかっていた精神科医、父親、母親、そして少年と医師。人間関係が絡んでいきながら、意外な真相が。結末はミステリアスだ。
映画の起承転結がひとヒネリふたヒネリもしていて、面白さが増してくる。
「美しい女(人)はいい人だ。と皆、思ってしまう」という格言的なセリフが面白い。
母親役の美しい女優はサラ・ガドン。不可解な美しさが映画を盛りあげている。
作品「ルイの9番目の人生」
(2015年・英・カナダ合作)
監督/アレクサンドル・アジ
出演/ジェイミー・ドーナン、サラ・ガドン、他
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