青春は、いつだってほろ苦い。イジ―・メンツェルの傑作として評価は高い、「厳重に監視された列車」
この映画はユーモラスな青春映画であるが、占領下にあったチェコスロヴァキアを時代設定にした反戦映画でもあり、ヒューマニズムが溢れた人情劇でもある。
社会主義に抑圧され、侵略され続けてきたチェコ。当時はチェコスロヴァキアであった。
スメタナ、ドヴォルザークを送り出した芸術性豊かな国。ジプシーの香り漂う地。
「プラハの春」より前の1966年に製作され、監督イジ―・メンツェルの名を世界に知らしめた作品で、長編監督デビュー作でもある本作品。
抑え気味で地味っぽくはあるが、温かい"人間の血"が通う"人間臭い映画"。
トーンはグレーで流れて行く。が、ピンク色のようなオレンジ色、そして淡い紫色の心情を最後は残してくれる作品。
映画の中では、恋や性、男らしさ、女らしさ、色・恋・個性、そして労働、優しさ、悔しさ、思いやり、ユーモラスな会話、愛国心、…。
役者も表情豊かに"役"に成り切っている。自分の役割りを心得ている。自分の立ち位置をしっかりと理解しているから、素晴らしい作品になったとも言える。
この作品はチェコらしさを味わうことが出来る。
SLの走る鉄道、駅、が舞台。が、人の香り良し!!
作品「厳重に監視された列車」
(1966年チェコスロヴァキア作品)
監督/イジ―・メンツェル
出演/ヴァーツラフ・ネツカーシュ、イトカ・ベンドヴァー、ヨゼフ・ソムル、他
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