映画に感動するよりも、役者に感動する。こうなると、その役者は超一流だ
才能ある役者は、どんな映画に出演しても"役"に徹していく。まるで別人のように成り切れるのはプロの俳優として当然ではあるが、いや‼お見事。
観客は知らないうちに役者に騙されてしまっている。
「あの映画に出演していた女優なの?」
「まるっきり違った女性を演じているじゃないか‼」
「あなたになら言える秘密のこと」は、2005年のスペイン映画。
「死ぬまでにしたい10のこと」の監督・主演の共作でもある。
主人公のハンナ役を演じるのはサラ・ポーリー。心の傷を隠して、絶望の世界で生きていく。前に進むしかないから生きていく。
この"とんでもない役"をリアリティーに演じる。
そして彼女と"縁"が生じてしまう男性役が、あのティム・ロビンス。
ゴッツの共演で、"競演"でもある。
陰のある女性が、とても近づけないオーラを放っている前半から、少しだけ心の交わう女性と変化をしていく。
このオーラの変化を実に見事にやってのけているのには、誰も気付くまい。
つまり冗談という"手法"をもって、男と女も親密さは深まることがある。深まらないことの方が多い。冗談にも相手に合ったレベルが問われるし、センスも要する。
冗談が通じないと、酷となる。目茶苦茶にコキおろされたりする。(今の日本は冗談の通じない国だ)
サラ・ポーリーの代表作には、この「あなたになら言える秘密のこと」に僕はしたい。
素晴らしい映画である。
作品「あなたになら言える秘密のこと」
(2005年スペイン作品)
監督/イザベル・コイシェ(脚本も兼ねている)
出演/サラ・ポーリー、ティム・ロビンス、他
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