25歳の若者に下された死の判決。70年代のスペインでの史実を映画化。「サルバドールの朝」

1970年代、スペインでの独裁政権。この流れに反体制活動をしていた人達。とりわけ、この映画の主人公はサルバドール・ブッチ・アンティックという若者。
 
警察との銃撃戦で逮捕されるところから映画は始まる。
彼の裁判での判決は死刑。
 
ここから彼の家族、友人らが動き出す。不当な裁判での不当な「死刑」の判決を覆すために…。
 
この映画はドキュメンタリーの手法で描かれていく。刻々と迫る死刑執行の朝へと進んでいく。
 
「死刑」を題材にした映画は、あと味が良くない。
 
日本でも「死刑」が行われている。
 
アメリカの赤狩りを描いた「死刑台のメロディー」、アラン・ドロンのフランス映画「暗黒街のふたり」。これはギロチンでの死刑。ポーランドの巨匠キェシロフスキは「殺人に関する短いフィルム」で"殺人"を描いた。殺人を犯した人を死刑にすることも「殺人」である。
 
戦下での"人の死"は「殺人」であるが、罪にはならない。国を守るための所為ということが、殺人を正統化している。
「人を殺すには自分が死ぬつもりでないと出来ない」これは三島由紀夫を描いた映画の中の自衛官の言葉。
 
作品「サルバドールの朝」
(2006年スペイン作品)
監督/マヌエル・ウエルガ
出演/ダニエル・ブリュール、トリスタン・ウヨア、他

Oimachi Act./おい街アクト

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