恋や愛をテーマにした歌ではないのだ‼「木綿のハンカチーフ」は

1975年に大ヒットした「木綿のハンカチーフ」。
太田裕美が歌ったポップス調の秀作。作曲は、あの筒美京平。
 
歌詞が印象に残る。
 
遠距離恋愛の"はかなさ"がテーマになっている。
 
この時代、未だ新幹線が東京~大阪、岡山までの時代。
夜行列車があって、九州(例)から東京に行くのには、乗り継ぎをして16時間~20時間もかかった時代。
 
まず、「恋人よ、僕は旅立つ。君への贈りもの探すつもりだから…」と始まる。
 
※都会志向は確かに"刺激"でもあった時代。
田舎には何もなかった…かも。
 
そして半年が過ぎて、「都会で流行の指輪を送るよ。…」と変わっていく。
 
さらに「今も素顔で口紅をつけないまま?」と男性の変化を示す歌詞へと繋がる。
 
ついに、そして、「恋人よ、君を忘れて変わっていくボクを許して。毎日、愉快に過ごす街角。僕は帰れない」と。別れを告げる。
 
男性はすっかりホームシックを忘れ、都会の楽しさを味わうことで、田舎の生活との対比をしている。
ここで大切なのは、男性にとって大切なものは生き甲斐ある生活観であり、決して恋人が嫌いになった訳でもなく、新しい彼女が出来たのでもない。
 
田舎の生活+恋人よりも都会の生活、そこにいる人々との交流が彼にとって、初めて得た楽しさであったということ。
 
つまり、単に男性の勝手の良さ、女性の方が可哀想だ。ということがテーマではない。
 
田舎での生活に行き詰った若者の、「若さ」「希望」「生き甲斐」「自分探し」「都会にある(あったと言うべきだろう)可能性への広がり」「都会に集まって来ている彼と同世代との同胞意識」をテーマにしたもので、恋人の心境は母親の心境でもあるし、故郷の友人でもあるし、もちろん彼のことが好きだった女性のことでもある。

Oimachi Act./おい街アクト

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