トロイ・ドナヒューの想い出

トロイ・ドナヒューというアメリカの2枚目スターがいた。「エデンの東」のジェームス・ディーンが亡くなって、急遽ハリウッドがアイドル・スターとして売り込みをかけなければ、と用意された男優だった。
正直なところ、役者としては"ダイコン"だったので、今ひとつ人気の方は盛り上がらなかった。
 
人気が出たのは映画「避暑地の出来事」から。
 
このテーマ曲「夏の日の恋」は、パーシー・フェイス管弦楽団で大ヒットをした。
 
続いて「二十歳の火遊び」「スーザンの恋」「恋愛専科」「パームスプリングスの終末」と続いた。
 
「パームスプリングスの終末」では、日本のみテーマ曲「恋のパームスプリングス」がヒット。この曲をトロイ・ドナヒューが下手ながら唄った。
 
一連の彼の出演作は"恋愛モノ"で、この時代にはありがちの内容。恋、性へのあこがれ、純情路線モノ。
 
映画はそれでよし、とされていた時代なのだろう。シリアスな映画は、この当時はフランス映画やイタリア映画が強かった。
 
美男子だけではにダメだしをされたのが、ビートルズの出現で、男性のカッコ良さは少し"ワル"が入っていないと―、となった。
映画から、ワルのスターは音楽の世界で見つけることが出来る時代へと変わった。
プレスリーしかり。ストーンズと。
 
トロイ・ドナヒューは"干されたスター"になって、一時期はホームレス状態だったと伝えられる。
1974年に「ゴッド・ファザーPARTⅡ」で、ちょい役で出演することが出来た。この時はトロイ・ドナヒューという名前ではなかったのだから。いかにミジめな生活を強いられていたかが解かる。
 
結局、結果は1993年の「ショウダウン」が最後。
 
2001年の9月2日に65歳で他界した。
 
彼は忘れ去られてしまったが、テーマ曲の「夏の日の恋」は今も尚ファンが多い。
そして「恋のパームスプリングス」も懐かしいポップスとして。
 
振り返ると、アメリカはその後、ニューシネマとして、ロバート・デ・ニーロが台頭していった。
 
フランスのアラン・ドロン、ジャンポール・ベルモンド、リノ・ヴァンチュロ。トランティーニと、役者はフランス、イタリアが一枚上。
むろん監督もヨーロッパ勢に、アメリカ映画は負けている。
 
「夏の日の恋」をパーシー・フェイス管弦楽団でどうぞ!!

Oimachi Act./おい街アクト

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