映画「ボーダーライン」の3作目に寄せる期待は、ベニチオ・デル・トロへの復讐への思い入れだ

女優エミリー・ブラントが主演し、ベニチオ・デル・トロとジョシュ・ブローリンが脇役で固めた第1作「ボーダーライン/SICARIO」は社会派娯楽作として、出来あがりが良かった。
3人のキャラクターが個性的であったからにして、映画として成功している。
 
今の時代の正義。正義にも質の違いがある。
 
何がYESで何がNOか。それを決めつけることの出来ない混沌として不安定な社会情勢。
 
アメリカはここまで来てしまっている。
 
麻薬を題材した映画を、作り続けているアメリカ。
 
「フレンチコネクション」はフランスからの密輸。
「スカーフェイス」はキューバ人の、コロンビアからの麻薬。
そして「ボーダーライン」は、メキシコがコロンビアに代わって"アメリカにとっての"悪"となっている。
 
ベニチオ・デル・トロの男臭いキャラは、男性に受けている。
心に傷を背負った役柄を、成り切って好演する。
こういった復讐鬼のような"男"を、社会が実は望んでいるのだろう。
 
それを知ったかのようにベニチオ・デル・トロの刺殺シーンは、憎しみに満ちあふれた表情で殺していく。
 
この作品が実に良すぎた。アカデミー賞にノミネートされるのは当然。
 
そして、2作目「ボーダーライン/ソルジャーズ・デイ」が公開された。
1作目に比べると、作品としては落ちる。製作費もかなり削ったと感じる。
それでも予定興業収入をクリアーした。
それは1作目の良さから、引きずられた観客が多かったこと。
また、ベネチオ・デル・トロのファンが期待した結果だと思う。
彼1人だけが存在感を輝かせていた。
 
1作目と2作目の監督が変わると、映画はこうも変わるのだ。
 
3作目は製作段階に入っているらしい。
 
再び、第1作の監督が3作目に挑む。
 
期待したい。ベニチオ・デル・トロのファンの為にも、1作目を上回る作品にと。

Oimachi Act./おい街アクト

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