ストーンズと俺たち⑦ 初期のストーンズであってこそのローリング・ストーンズだ
ローリング・ストーンズは、リーダーがブライアン・ジョーンズで結成された。
ブライアン・ジョーンズはIQが135。約20種類の楽器をこなした。
どんな楽器をも、いとも簡単に弾きこなせたという才能の持ち主であった。
で、リード・ギターはキース・リチャードが担当した。ベースはビル・ワイマン。ドラムはチャーリー・ワッツ、ヴォーカルはリードでミック・ジャガー。
初期のストーンズはR&Bを骨頂ととした。
その頃はサイド・ヴォーカルでブライアン・ジョーンズも唄っている。
「イッツ・オール・オーバー・ナウ」では、ブライアンが果敢にギター(リズム)を手に、コーラスを入れる。
初期のストーンズは黒人のブルースを演っていたから、圧倒的に男性ファンが多かった。
僕はビートルズ以上に、ストーンズが好きで、「テル・ミー」「ハート・オブ・ストーンズ」「ラスト・タイム」あたりでは、ビートルズ離れをしていた。
バラバラっぽい演奏。個人プレーに徹していたし、コーラスのハモリも荒々しい。
収まりのつかない無理なサウンドが、ライヴらしくて、とても好きだった。
ドン臭いユニフォームがない。これもストーンズらしさの魅力だった。
キース・リチャードのギターは味があったし、チャーリー・ワッツのドラムもアフター・ビートで好きだった。
ビル・ワイマンのベースは対位法で、エレキ・ベースを建てて弾く。この異色なポーズと、その対位法のやわらかいベースの音が、ストーンズの魅力でもあると感じていた。
ブライアン・ジョーンズはリーダーではあるが表に出てこない。しかしセンスが良い。
ファッションにしろ、メンバー中、一番のオシャレ。
10代の僕にとってストーンズでカッコいいのはキース・リチャード、ブライアン・ジョーンズがいたからだ。
ミック・ジャガーは白人のブルース・シンガーとして、「サティスファクション」あたりから評価が上がっている。
白人の最高のブルース・シンガーに選ばれたりはしたが、もっと上手いシンガー(白人)はいると思った。
ブライアン・ジョーンズは作曲を表だってはしていない。
シタールに魅せられたり、マリンバなどの民族音楽に傾倒していったあたり、コマーシャル・リズムな音楽とは縁を切りたかった思いがあったのだろう。
同時に自分がいないストーンズでも売れるようになった。が、売れる為の音楽(ロックン・ロール)は好まなかったのが、ブライアン・ジョーンズ。
「ルビー・チューズデイ」のフルートはブライアン・ジョーンズが聞かせてくれる。
不可解で才能があるカリスマ男。それがブライアン・ジョーンズ。
結果とは結末。ブライアン・ジョーンズがメンバーから遠のいていくことは、ストーンズが永く活躍できた、という結果をもたらす。
ブライアン脱退後、ストーンズのサウンドは変わった。。
ミック・ジャガーの一人舞台として、彼は永遠にピエロを演じていく。、
キース・リチャードはマイ・ペースな性格なようで、自分のことを「俺はギターが下手!!」と言ってのける。
これがキース・リチャードの人間的な魅力なのだろう。
要するに「好きなだけだよ」という開き直りの生き様がキースの魅力だ。
バーズをかき乱したグラム・パーソンズを惹きつけるほどの魅力があったのだから。
白人のR&Bがあったからこそ。黒人のR&Bも売れるようになった。
そしてブルースに影響を受け、その後、素晴らしいミュージシャンが活躍することになった。
27才でプールに死体があがった。
どうやら他殺説が確かなようだ。
彼の死の前に、キース・リチャードとミック・ジャガーが、リーダーのブライアンに解雇通知を出す。
これも他殺の何かしらの引き金になったことは間違いない。
27才の若さ。
ブライアン・ジョーンズらしい死に様だ。
このニュースが流れた時。
様々な憶測が流れた。
ビートルズの他殺説。ストーンズの他殺説。
ブライアン・ジョーンズがビートルズやストーンズの隠し事をバラス恐れがあるので、「ヤッタ!!」という噂は先行した。
ブライアン・ジョーンズは、そんなことを言い散らす男ではないと思った。
悪徳マネージャーが当時、最もアヤしかったが。
何はとてもあれ、終わった過去の話だ。
映画「ブライアン・ジョーンズ/ストーンズから消えた男」
このブライアン・ジョーンズは"悪タレ"として描きすぎている。
彼はスキャンダラスなミュージシャンであったが。
天才的なミュージシャンだ。
もっと描き方があったろうに。
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