パット・ブーンは富裕層ウケをねらったシンガーだ!
日本ではポピュラー・ヴォーカルの"貴公子などと称され、イメージはクリーン。エルビス・プレスリー、その後のビートルズやストーンズと対象的な位置にあると思われているのが、パット・ブーン。
ロックン・ロールのエルヴィスに対して、正統派で礼儀正しく誠実(?)、明るい、清潔感にあふれた(?)、これがパット・ブーンであった。
ところが、パット・ブーンのデビューはプレスリーよりも1年早い、そして当初は黒人音楽を唄っていた!! そうR&Bを。
彼の初ヒット曲は「二つの心」。チャームスという黒人グループのカヴァー曲。これが全米1位に。
2枚目はミニオン・セラーになった「悪いのはあなた」。これはファッツ・ドミノの作品。
他にもリトル・リチャド、エル・ドラドス、フラミンゴス、ジョー・ターナーなどの曲をカバーして、ヒットさせた。
黒人音楽を白人が唄い、"音楽界"に貢献したのがパット・ブーン。
が、エルヴィスの人気に反目するように、パット・ブーンの唄の世界はバラード・ポップスへと変化していったのだ。
いかにもニーズのバランスをとりながら、商品としての音楽を売るアメリカらしい。
1955年から1993年迄のアメリカのヒット記録を集計してみると、1位がプレスリー、2位がビートルズ、3位がスティーヴィー・ワンダー、4位がエルトン・ジョン、5位がジェームス・ブラウン、6位がストーンズ、そしてパット・ブーンは7位にランクされている。
パット・ブーンの「砂に書いたラヴ・レター」「四月の恋」「悲しきカンガルー」あたりは、知られているヒット曲。
僕は個人的に「涙のムーディー・リヴァー」そして「栄光への脱出」が好きだった。
今日は「涙のムーディー・リヴァー」を聴いて下さい。
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