アル・パチーノにデ・パルマは濃い過ぎる。映画も長すぎる。「スカーフェイス」
ハワード・ホークルス監督の作品「暗黒街の顔役」(1932年米作品)は、実に切れ味の良いギャング映画だった。
この映画をブライアン・デ・パルマが監督。脚本をオリヴァー・ストーン。アル・パチーノが主演として1983年にリメイクされた。
キューバ移民のチンピラがコカインの密売で暗黒街のボスにのしあがり、自滅していくまでを描いている。
映画公開時にカットされていた部分もDVDでは収められ、映画がやけに長くなった。
キューバのカストロまで登場させているところはドキュメンタリーの手法を取り入れた脚本に、映画の期待はふくらんでいく。
ブライアン・デ・パルマは、ある映画評論家いわく、「要は下手なのよ‼」と。
確かに、その頃のデ・パルマの作品を観ても、節々ををつなぎ合わせていて、"なめらかさ"が無い。
この「スカーフェイス」も、アル・パチーノのワン・パターン演技に"嫌気"がさすくらい。
コカイン中毒の成り上がりの、妹に対する異常なまでの"愛"にも、うんざりしてくる。
要するに冒頭の期待を裏切りながら、映画は延々と続き、自滅するべき男の結末までの「引っ張り」は逆効果になっている。
ボスになっても成長しきれないアル・パチーノが、下手な演技を続けていく。
映画を170分にもする必要があったのか?
結果、逆効果になっている。
アル・パチーノは本来はいい役者なのだろうが、この作品で、オスカーへの道が遠のいたような、そんな作品だった。
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