サブ・カルチャーの枝分かれ!!角刈り化か?ロングヘアー派か?

ビートルズの「抱きしめたい」「キャント・バイ・ミー・ラヴ」「ツイス・アンド・シャウト」「プリーズ・プリーズ・ミー」がラジオから流れてきたのは、1964年の春だった。
 
前の年、1963年。ラジオから流れてくるヒット曲は映画「エデンの東」のテーマ、映画「北京の55日」のテーマ曲、映画「第三の男」のテーマ曲。と、映画音楽がヒットチャートをにぎわしていた。
 
ここに64年の春。いきなりビートルズが旋風を吹き起こした。
 
プロレスが人気で、テレビを観戦していた老人2人がショック死で倒れたのが1962年。ブラッシーが嚙みついて、日本選手の額から鮮血が…。
まだプロレスがショーなんて信じない日本人が多い時代だ。
 
テレビのお笑い番組はトニー谷の"アベック歌合戦"が。「あんたのおなまえは何ァンてェの?」。レコード化にまでなった。1964年。
 
歌謡曲では西郷輝彦の「君だけを」「十七歳のこの胸に」。都はるみの「アンコ椿は恋の花」が新人賞(レコード大賞)。これも1964年。
 
吉本興業では1964年に、坂田利夫、西川きよし、らが入団。
 
邦画は鶴田浩二に高倉健、池部良、花蒔純子らが、「網走番外地シリーズ」「兄弟仁義シリーズ」「緋牡丹博徒シリーズ」「日本女侠伝シリーズ」「極道シリーズ」を。東映の大全盛時代真っ盛り。
 
さあ、ビートルズを聞くか?
まだまだスティーブ・マックィーンらのアメリ男優が、カッコいいと思うか?
 
やはりプロレスは外せないか?
 
日本でも若手の歌謡曲歌手が登場したので、そちらを好きになるか?
 
いや、バカらしいが、吉本興業が一番か?
 
はたまたヤクザにあこがれて、不良番長を気取った方がカッコいいか?
 
1964年は、様々な選択を若者がする時代の曲がり角でもあったのだ。
 
音楽?役者?プロレスラー?お笑い芸人?いや、ヤクザ?
 
中三の頃にはクラスで色分けが激しく行われた。
 
高倉健にあこがれる男子。音楽、洋楽に走って明るい人生を選ぼうとする男の子。
 
つまりプロレスやヤクザ映画に走る角刈り派と、ロングヘアーで新しいニッポンを目指すニュー・カルチャー派とに枝分かれが始まったのだ。
大きく分けたらこの2ツ。
 
高倉健とジョン・レノンのどちらがカッコいい?かという選択でもある。
 
僕はジョン・レノンだった。
 
その頃の放送部が昼食時間にビートルズのレコードをかけ始めた!
 
では今日はビートルズで「恋する2人」。リード・ヴォーカルはジョン・レノンだ。

Oimachi Act./おい街アクト

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