映画から学ぶことができる。それは女優の考え方が映画に反映されているからでもある。

シャネルのミューズ(女神)として知られるフランスの女優、モデルのアナ・ムグラリス。
 
父はギリシャ人。母はフランス人。今年44歳になる。
美しい。が、存在感が強すぎる。シャネルのモデルとして約20年。
 
個性が強く、監督が手を焼きそうなお方だ。
 
クラシックのバレエ「春の祭典」の作曲家、イゴール・ストラヴィンスキーとシャネルの創立者、シャネルの恋物語を描いた作品が「シャネル&ストラヴィンスキー」。監督はヤン・クーネン。
 
2009年のフランス映画。
 
デンマークの国際派俳優、マッツ・ミケルセンがストラヴィンスキーを演じる。
 
シャネル役はアナ・ムグラリス。
 
この2人がどういった演技を見せるか?
この映画の見どころは、この2人の顔合わせだ。
 
マッツ・ミケルセンはダンサーであり、体操選手であっただけに作曲家とは思えない体格であり、風貌も逞しい。
 
アナ・ムグラリスが女性としては、"女王峰"格である。マッツ・ミケルセンとは互角。
 
その辺のヤワな男性では、相手にならない。
 
男性に翻弄されるような女性ではないし、そういった役も難しい。
だからアナ・ムグラリスには代表作と言われる作品が未だない。
 
男性が手に余るほどの"力"を秘めた女性なのだ。
 
本作品も強いシャネルを、強い女優が演じているので、甘ったるい恋物語ではない。
自立したシャネルを、地で行ける女優が演じている。
 
ストラヴィンスキーとシャネルは同年に亡くなる。
 
それまでシャネルはストラヴィンスキーに、手紙を送ったり、金銭的援助を続けたと言われる。
男と女の友情らしきものが成立するには、女性が経済的にも、恋愛においても自立していなければ成立しない。それをテーマにしたような映画でもある。
 
自立したシャネルがストラヴィンスキーに魅かれたのは、「作曲家としての彼の作品であろう」と、アナ・ムグラリスはインタビューで語っている。
 
「クリエイターの力は、素晴らしい。ジョン・レノンやボブ・ディラン、他、多くの絵画を描いた芸術家達の及ぼす影響力は政治以上だ。つまり芸術とは不用な人には価値を感じなくても、世の中の人達には素晴らしい影響を及ぼすものだ」。
 
インタビューでアナ・ムグラリスは語っていた。
芸術を理解している。それが彼女の魅力の根源であるのかもしれない。
 
あの美しさと存在感は孤高的だ。

Oimachi Act./おい街アクト

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