ユーモアなセンスがあるから、悲惨ではあるが心が救われる映画となっている。「仕立て屋の恋」

監督のパトリス・ルコントはマンガ家でもあった。持ち前のコメディー・センスがアカ抜けており、映画作りに功をなしている。
1989年のフランス映画「仕立て屋の恋」は、初老にさしかかった男の哀歓がにじみ出てくる。
出演はミシェル・ブランとサンドリーヌ・ボネールの2人。この2人が主人公であり、2人の世界が"仕立て屋の恋"である。
 
社交性のない、孤独で無口。人嫌いの仕立て屋のイールが、向かいの部屋に住むアリスをのぞくことから、彼女への想いが募っていく…。
 
仕立て屋のイールはコメディー・タッチで様になる容姿。これが映画を演出していく。
彼の私生活が実に面白い。茹で卵を食べるシーンが劇画チックで印象に残る。
 
何故かボーリングの才能がある。目隠しをしてもストライクがとれる。
「私を嫌う人ばかりではない」と、刑事に言い返す。
 
さて、アリスがイールに対してわざと気を持たせて、何かを探ろうとする。
この辺りから映画は、純粋な愛と、したたかな女性の悪意が絡み合っていく…。
 
パトリス・ルコントはこの作品で注目を浴びることになり、「髪結いの亭主」が生まれる。
Oimachi Act./おい街アクト

Oimachi Act./おい街アクト

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