夢だの恋だの愛だの…。現実はエゴの世界だ。 映画「白と黒の恋人たち」
映画監督で成功する人は、とても少ない。
神経がズ太くないと無理。ヤクザっぽい荒々しさがないと無理。
冬のパリで若き映画監督のフランソワは、女優志望の学生リュシーと出会う。
その瞬間から恋に落ち、夢を喰って生きる2人。
現実は映画の製作費の金をどうするか?
作るのは作って、成功するのか?
映画の製作の現場は不安定要素の強い、神経衰弱のゲームような場だ。
この作品の監督はフィリップ・ガレル。
2001年のフランス作品。
リュシーはやがてフランソワがかつての恋人、キャメルの眼差しで自分を捉えようとしていることに気づき、そこからプレッシャーを感じ始める。
そうしてヘロインを始める。
芸術家のエゴに回りが翻弄されていき、女優もガタガタになっていく…。
芸術家=映画監督のエゴと彼に振り回される女優の痛々しい姿を描いた。
「残念な無邪気さ」は「白と黒の恋人たち」の原題。
ヘロインを啓発するはずの映画が、ヘロインによって女優がつぶれていく…。
出演はメディ・ベラ・カセム、ジュリア・フォール、他。
モノクロのトーンがフランス映画らしく流れていく。
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