弘田三枝子の回想⑥ ライブ当日、殺気は頂点に達した

ライヴを2日間開催し、1日に2ステージの計4ステージを収録する。
 
CDで一番の聴かせどころとなっている「THIS IS SWING」は、4ステージで中、一回は演ってみる。
 
ライヴ録音にあたり、「MAX・オーディオ」の大原社長が素晴らし録音機材を手配してくれた。
 
このライヴ録音に参加したミュージシャンの皆様はもちろん、協力を心おきなくして下さった松浦さんらも、この日ばかりは緊張というか、気合いが入り、この皆の熱気もライヴ録音には、間違いなく収められている。
 
ミュージシャンの皆様は、当然完璧主義である。
 
互いが互いを意識して、まるでステージでは火花が散っている。
 
弘田三枝子側はピッチの速さを要求してくる。
 
ミュージシャン側は、あまりのピッチの速さには疑問を持ってしまい、さらに火花の種は激しくなった。こうしてバトルのようなライヴ録音が出来たのだ。
 
僕はプロデューサーではあるが、プロデューサーとしての権力はあえて使わなかった。
 
ライヴで火花が散ってこそ、いい物が出来るとメンバーの皆を信頼していた。
一筋縄ではいかない根性のある実力者がこれだけそろい、実力で真っ向から勝負をしたステージだった。 
 
岩崎大輔さんと、田部俊彦さんのピアノとサックスのコンビネーションには、脅威さえ感じた。
 
この2人の実力を、高く評価するリスナーや音楽関係者はとても多く、「北九州にもこんなスゴいミュージシャンがいる」というおスミ付をもらった。
 
このライヴは、弘田三枝子とメンバーの皆が、不思議な体験をすることになった2日間だった。
このなんとも言いようのない、必然的に起こったバトルこそ、このアルバムの魅力、真骨頂になっていると思う。
 
アニマルズの「ブーン・ブーン」を聴いて下さい!

Oimachi Act./おい街アクト

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