ミニ・ミニ・ロックのお嬢さん
ミニ・スカートが流行った。
高専1年の時には、ミニ・スカートをはいた足のキレいな女の子が街を歩いているのを見て、心がウキウキした。
ヒザ上20センチから25センチの娘(こ)もいた。
1966年にはグーシーズというグループの「ミニ・ミニ・ロック」が大ヒットした。
高専生特有の"魚町ウロウロヒマツブシ"は、この時代から始まった。
まだ女の子の手も握ったこともないし、彼女もいないのに。なにが「ミニ・ミニ・ロック」だ。こんちきしょう~!!
僕の家の近くに住む友達の広い敷地には、家が何軒も建っており、小学生の頃からよく遊びにいった。
僕よりも年下の女の子が住んでいて、よく一人で砂遊びをしていたのを覚えていた。
その女の子が、高校1年生に知らないうちになっていた…。
すっかり色気づいて、ミニ・スカートをはいてどこかに買い物を…。
おとなしそうだった女の子が、今は上目づかいで僕にガンをつける。
そのガンのつけ方が、どこか野性的で、これも恋なのか…。
ある朝、その女の子と電停が一緒になるので、今日こそは声を掛けようと、早目に家を出た。
多分、今度の日曜日に会ってくれない、
と言ったと思う。
会ってしっかり顔をみると、まだあどけなさは残っている。あの野性的な挑発的な瞳は見せてくれなかった。
「おや!僕はこの娘のこと好きなんだろうか?」
「ミニ・スカートにあこがれただけなのか?」
それとも、野性的な瞳に恋こがれただけだったのか?
この女の子には、僕はひかざるを得ない事情が沢山あったので、フラれた振りをして別れた。
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