令和食文化問答『ストレスからケーキの味が解らなくなる』

バニラ、牛乳、生クリーム、薄力粉に強力粉、などのモノが昔とは違う。商品の品質、味、香り、強さ(力)が落ちてきた。

有精卵を使ったメレンゲは力が強く、泡立ちが良く、だからペーキングパウダーを使わなくてもケーキのスポンジが膨れた。

ケーキを昔のレシピで作っても、今の食材では商品が仕上がらない。
ペーキングパウダーを堂々と使う料理研究家がまかり通る時代が、30年前から始まった。

テレビや雑誌で素人のためのレシピが、やがて職人気質でない作り手に流れていき広まる。
やがて食材をメーカーが変えていく。
喜んで変えていった。
厳しい職人気質の料理人は、人件費が高い。

だったら腕は落ちても、手を抜くことを知っている料理人を遣うことを会社(ホテル)は望んでいくことになる。
知らぬ顔して成り済ましていたら、気づい時には後戻りできない場所にいる。
世の中の変化は常にこうであるが、その流れを阻止することの出来る人、文化が僅少した時、一挙に改革はなされる。

アナログ文化の大切さを失いつつある令和の時代は、とても危険だ。
ケーキのスポンジがきめ細かいようで、粉臭いのがわかる。
スポンジの色が黄帯びていない。
ケーキの好きな人は昔から多い。が、味にうるさい人が少なすぎる。
ケーキの美味しい店も、実は少ないのだ。
(おわり)

Oimachi Act./おい街アクト

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