緻密な計算と実験的な試みは、デビュー当時からBYRDSの骨頂であった

BYRDSは、BIRDSではない。
 
ロジャー・マッギンは緻密な戦略でBYRDSのデビューを飾った。
 
ボブ・ディランの「MR.TAMBORINE MAN」をイギリスのビートルズからのお答えソングとして選んだのは、曲が2分17秒でありメンバーの5人のうち、ジーン・クラークとデイビッド・クロスビー、そして自分(ロジャー・マッギン)の3人のハーモニーが絶妙であることを知って、2分17秒にかけたのだ。
 
ジョージ・ハリスンの12弦ギターを見て、バーズのサウンドの要としたこと。これも深い読みがあった。
彼はバンジョーを巧みに弾きこなせた。そこで12弦ギターをバーズ(ロジャー・マッギン)らしく弾くのも成功の道へのひとつとして、戦略に用いた。
 
リード・ヴォーカルはロジャー・マッギンであるが、自分の地声を変えるべきと考えた。彼が演出したのはボブ・ディランとジョン・レノンを足した声を出すことが、バーズ・サウンドに必要と。これも計算づくだった。
 
こうしてBYRDSは、「BY(~による)」と「RDS(うぶ声)」でバーズのサウンド、歌のハーモニー、ロジャー・マッギンの声のすべてを産み出したのだ。
 
こうして「MR.TAMBORINE MAN」は大ヒットする。そこからBYRDSとロジャー・マッギンの長い道のりは始まったのである。
 
ここまでクリエイティヴな方法論を持つバンドは、BYRDSが初めてであった。
 
「MR.TAMBORINE MAN」byをBYRDSで。 

Oimachi Act./おい街アクト

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