濃い汚い中年男性が、少女にしてやられる。 ありがちな話をサスペンスとして仕上げた映画が「ロリータ」
蝶の収集家であり、作家、詩人でもあるロシア生まれのウラジミール・ナボコフの小説「ロリータ」は、フランスでは発禁処分になった。
ところが各国でベストセラーとなり、世界的に評価され、ナボコフもこれで名声を得た。
中年男性の少女への倒錯的な"愛"を描いた問題作(?)で、ロリコンのロリータ・コンプレックスの語源ともなった作品。
資料によると「ロリータ」の出版は1955年。
ロシアから亡命しアメリカで小説家となる。
貴族の出身で亡命した後、大学でロシア文学などを教える。
映画は1961年にイギリス、アメリカの合作で製作された。
監督はスタンリー・キューブリック。脚本をナブコフが手掛けた。
インテリ中年男性の、13歳の少女に翻弄された悲劇(喜劇)を描いている。一人の美しい少女との出会いは、熱烈な愛を信じる中年男性にとっては、人生において事件であり、自分を見失う結果を招く。
後戻り出来る人、出来ない人。人により心の傷と痛みは破壊を招く。
ロリータ役は、当時17歳のスー・シオン。
この映画で"人生がとんでもない変質をした"と、その後はひっそりとした生活を人知れず送った。
中年男性はジェームズ・メイソン。ロリータがあこがれるアーティストをピーター・セラーズが好演している。
常識的なインテリと、常識から遠ざかってしまった芸術家のゲームのような戦いは、ロリータにしてみると自分勝手な大人の世界でしかなかった…。
少女に狂うインテリ中年男性は見苦しい。が、フロイト的には"自由に生きる"。ただ、そのも自由さを知るのが少し遅かった、年齢的には。
この映画から学べることは沢山ある。
若い女の子がスターを夢見て、"大人にダマされる"ことが。ありがちであろうし、そんな世界にあこがれる少女も又、賢さに欠ける。
変な人と妙な人と、オカシナ人とバカな人が出逢うことによって、事件は起こる。
日本の芸能界に関わる人々は、悲劇的であり、喜劇的だ。
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