令和食文化問答『昭和の喫茶店・小倉篇』 大人の喫茶店というイメージのあった「若竹」。
喫茶店の「喫」は満喫の"喫"で、食べることや飲むことを表す。
タバコを吸う意味は含まれない。軽食類を客に出す飲食店のことを定義される。
"喫"は「口に入れる」という意味。
勘違いしやすい日本語ではあるが。
北九州は小倉。小倉で一番の老舗であったのは以前にも記した、喫茶「マヤ」。
コーヒーが一日で10キロは出る、今では信じられない店だった。
「マヤ」のあった京町商店街に「若竹」という老舗の店。
この店は今、小倉井筒屋の新館の4階にある。
だから、小倉では今尚続く、一番古い喫茶店である。
ここの人気メニューが、「鍋焼きうどん」。
煮込みうどんの一種。うどん屋では「鍋焼き」と呼ぶ。焼きうどんとは、まったく違う。
小鍋料理の中に入れられる。
小倉井筒屋新館4階の「若竹」では、今尚、この"鍋焼きうどん"が人気メニュー。
確かに、その昔若かった年輩の方たちで賑わっている。
この人気メニュー。今考えると、うどんにコシがあったのを覚えている。うどんは、手打ちだったと思われるが。
土鍋で煮込んだうどんと具を、熱々(あつあつ)で食べる料理。
大阪では明治以前に流行している。その後、東京へ伝えられた。これが明治7、8年。
東京の下町の深川辺りで続々と庶民的な食べ物として親しまれた。
そこから発祥の地が「深川」という説がある。が、大阪が生んだ料理。
エビの天ぷら、ネギ、シイタケ、銀杏、かまぼこ、竹輪、卵焼き、ナルト、青味、麩(フ)、海苔などをのせて、グツグツ煮込む。
鍋焼きだが、土鍋を使う。そして焼くではなく煮る。
土手焼きと呼称は似ている。
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