フルーツが贅沢な時代だから、あったのだ
喫茶店のメニューで、ミルクがあった話をした。こんなメニューも今時では信じられないらしい。
フルーツ盛り合わせ。
大きな皿に盛り付けたフルーツ。
コーヒーが一杯100円の時代、フルーツ盛り合わせは800円前後の価格。
これが出るから、今では考えられない。
リンゴをウサギらしくカットする。
バナナもカッコ良くカットして盛り付ける。メロン、イチゴ、梨。
缶詰めのフルーツは使わない。
カット、皮の切り方と見せ方、盛り付けのセンスが問われる。
フルーツ・ポンチを早く、綺麗に作る技術力が習得出来なければ、一人前のソフト・バーテンダーとは言われない時代。
みつ豆の寒天やシロップ、ホットケーキもプリンも、全て仕込む。
フライパンも振れないと。
キャベツのせん切りは細く長く綺麗に。
ピザのソースやらグラタン、ドレッシング、炊き込みご飯(ピラフ)、アイスクリーム、すべて仕込む。
それで、あの店の何が美味しいを競い合った時代が昭和の30年代から40年代。
コーヒーが職人の手によって淹れられていた。一人ひとりの淹れるコーヒーの味が違い、誰のが美味しいかと競い合ったものだ。
フルーツの切り方が、職人芸であった時代は生き甲斐やらに満たされていたが。
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