興行収入が5億円。大してヒットはしていないが素晴らしい作品。

2022年の11月18日公開の「ある男」の原作は平野啓一郎。脚本は向井康介。監督は石川康。
アカデミー賞最優秀作品賞受賞は当然。
弁護士役の妻夫木聡がよく演じきっている。まだ渋さは出ていないが役柄をよく理解しきっている。
奥田瑛二の娘、安藤サクラが依頼人。父親に顔は似ていないが、演技の味はよく似ている。
窪田正孝が謎の男を演じる。
「自分とは何か?」が映画の底辺にた流れるテーマ。
帰化した在日人である弁護士自身が仕事、資格、国籍の肩書きに実は振り回された行き方でもある。
国籍を売る人、買う人が生きるために自分を捨てたり、自分を偽って生きる。
そんな世の中で間違いなくあるモノは、人との愛や思いやり。
この描き方は難しいが、欲を言うならば、そこがやや弱い。
安藤サクラの息子の言葉が凄い。
「自分が父親にして欲しかったことを子供にしようとしたから、あの人は優しかったんだ」。
ちょい役だが、刑務所の罪人役での柄本明。作品の凄味は、この人から滲み出ている。映画はこうでなくちゃ。

Oimachi Act./おい街アクト

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