このサスペンスの色合いは日本映画には珍しい。お見事!

映画「三度目の殺人」
是枝裕和監督が脚本を手掛けただけに、思い通りの作品に仕上がっている。
福山雅治が弁護士役で、犯人とされる役所広司との駆け引きが素晴らしい。
これに被害者の娘役の広瀬すずが、嘘か真実か解らない発言をすることで、役所広司を真の悪人ではないような幻想を、見る側と弁護士の福山雅治が同じ立ち位置になり、解らなくなる。

是枝裕和監督は、アラン・パーカー作のケビン・スペイシー主演の「ライフ・オブ・デビット・ゲイル」の作風を日本映画の法廷サスペンスに持ち込んでみたかったのでは?と。
脚本までやるほど熱が入った本作品は、登場人物に無駄な台詞も絡みもなく、贅肉のない解りやすい起承転結がなされている。
三度目の殺人で殺されるのは、役所広司。
加害者は法廷となる。
誰の言葉が真実であるか解らないと解った上での、法による判決。
弁護士と被告人の駆け引きには、個人レベルの不平等な価値観が働くから、映画にすると面白い。
映画の中で、役所広司と広瀬すずの2人で殺人を犯したごときの映像が流れる。
これが効果的であり、足を引きずる広瀬すずが怪しくあったり、演出は素晴らしい。
2017年の作品。日本アカデミー賞作品、監督、脚本、他、受賞。

Oimachi Act./おい街アクト

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