イヴ・モンタンの代表作でフィルム・ノアールの傑作「真夜中の刑事」
フィルム・ノアールという括りの映画は、虚無、悲観、退廃的な犯罪映画をさす。ノアールとは仏語で「黒」(英語ではブラック)。フランスで言葉は生まれたが、アメリカで逆輸入のかたちで使われ始めた。ここではフレンチ・フィルム・ノアールにピッタリのフランス男優をまずあげてみる。アラン・ドロン、イヴ・モンタン、リノ・ヴァンチュラ、ジャン=ルイ・トランティニャンがお馴染み。
(古参はジャン・ギャバン) 名作は数多く、アラン・ドロンの「サムライ」は語り草的代表作。 イヴ・モンタンという役者は歌も唄う国際的な大物スターと言える。
アラン ・ドロンはルックスから女性に好かれた二枚目スター。(韓流のヨン様どころではなかった) 男性は渋い魅力のイヴ・モンタンを高く評価する傾向が強い。
彼の出演作品は、政治色の強い「Z」「戒厳令の夜」「告白」を代表作とするが、晩年の「真夜中の刑事」というフィルム・ノアールの傑作を見逃す訳にはいかない。
孤独な刑事役は
〝時に悲色、も、美しさ〟と色調を変えながらラストへと進んでいく。刑事と上司と女、また女。見る側を同化していく不安感、緊張感が画面から溢れてくる。渋さを味わうフィルム・ノアールの隠れた傑作だ。
76年フランス映画/監督 アラン・コルノー/出演 イヴ・モンタン/シモーネ・シニョレ/ステファニア・サンドレッリ/他
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