アラン・パーカーの代表作とも言える映画「ミッドナイト・エクスプレス」
78年のアカデミー賞にノミネートされたが、「ディア・ハンター」に敗れる。脱獄の隠語「ミッドナイト・エクスプレス」が題名。
トルコのイスタンブール空港から始まる、麻薬の不法所持で逮捕されたアメリカ青年の実話をもとにした作品。青年ビリーは裁判で重刑となり、懲役30年の実刑判決を受ける。刑務所内は暴力が支配する世界。青年は自己の尊厳を失う前に、生き伸びる道が脱獄にしかないと決心をする。
国家間の不都合さに揺さぶられる、個人の運命をアラン・パーカー監督が描いた。
脚本が「プラトーン」のオリバー・ストーン。実際に体験をしたビリー・ヘイズの原作でもある。視点はアメリカのいち青年から観た、当時のトルコの刑、刑務所内の不条理さ。この時代は、米ニクソン政権に嫌悪を抱いていたトルコの情勢下でもあった。
アメリカ青年を今は亡き、ブラッド・デイビスと、脇を固める役者が好演。アメリカで大ヒット。日本では有楽座の上映が1週間で打ち切られ、自主上映の形で公開される作品となった。テレビでは大幅にカットされたモノが深夜で放映された。アメリカ側から描いた作品が、「デイア・ハンター」と揃ってアカデミー賞にノミネートされたことも、アメリカの時代、政策背景にあるようだ。
0コメント