映画「4月の涙」。この哀しく残酷な史実を知っていますか?

1981年に起きたフィンランドの内戦を[史実] として描いた作品。のっけから弱者と強者の戦いが始まる。やがてそれが、善人と悪人とに変わっていく。弱者になった赤衛隊残党の女性闘士が、銃で身を守ろうとして戦う。相手を殺さなければ、レイプされて殺される。降伏しても、間違いなくそうなる。追い詰める強者は、悪人としか見えなくなっていく。       
同じ国民同士がイデオロギーの下で対立し、殺し合う。内戦は今の時代でも、終わることがない。 映画は、一人生き残った赤衛隊の女性の、その後を描いていく。捕虜は裁判を受けた上で、刑を問うべきと主張する白衛隊の准士官
一人が、悪の中の善人として描かれる。 次から次へと、その女性をレイプしていく勝軍の兵士たちは、紛れもなく犯罪者へと変わっている。                      
映画は内紛に関わったドイツ帝国、スエーデン、ロシアなどの内政干渉と内戦との問題には触れない。 同国民同士で行われた狂気を再現するに留まるが、それが人間が権力により翻弄される姿、残酷さ、悲しみ、恐ろしさ、そして優しさと強さを、より強烈に訴えてくる[史実] 作品として観る価値ある映画となっている。2009年にベルリン映画祭シューティングスター賞受賞他、多くの映画賞を受賞。


監督/アク・ロウヒミエス 出演/ピヒラ・ビータラ/サムリ・ヴァウラモ/他 
2009年作品/フィンランド、ドイツ、ギリシャ合作

Oimachi Act./おい街アクト

北九州からお届けするエンタメ情報発信サイト。 ひとくせある編集部からクセのある情報を公開!!エンタメ多めに関してはあしからず。更新情報は公式Twitter(@oimachiweb)にてお知らせ。