映画「普通の人々」から始まる2人の若き俳優の苦悩と栄光
1980年にロバート・レッドフォードが監督した映画「普通の人々」で、いきなりアカデミー助演男優賞を受賞したティモシー・ハットン。弱冠、二十歳だった。同じ1960年生まれのショーン・ペンとティモシー・ハットンが共演した「コードネームはファルコン」をその後、劇場で観た。この作品は、アメリカの作家ロバート・リンゼイのノンフィクション小説を原作とした1985年のスパイ・サスペンス物。
アメリカの偵察衛星の情報をソ連に売った実在の二人、クリストファー・ジョン・ボイスとアンドリュー・ドールトン・リーの事件を映画化したもの。
アカデミー助演男優賞をあまりに若くして受賞した、その後のティモシー・ハットンのイメージ転換をかけたと思われるシリアスな作品であった。方や、「初体験/リッジモンド・ハイ」がデビュー作であったショーン・ペン。
ショーン・ペンは果たして上手い役者なのか、ダメな役者なのかが解りにくい演技をひたすら貫いた作品だ。
この映画はショーン・ペンのキャスティング・ミスがために、作品の重たさが伝わらず、映画も、二人の役者も結局はダメだしされる結果となる。ティモシー・ハットンは方向転換をしていく。ロバート・デ・ニーロ監督作品「グッド・シェパード」でのシリアスな役が評価される。
ショーン・ペンのその後は、渋い役作りに徹していく。ロバート・デ・ニーロを意識したような演技が、彼を一流の役者としていく。今、「コードネームはファルコン」を観ると、ショーン・ペンが上手い役者の片鱗を覗かせているのが、少し見えるが。ティモシー・ハットンはこの先、再度オスカーに輝く予感がする。小柄な役者は損をしやすいが、自分を大きく見せる演技を彼が心掛けているのが、その後の作品から伝わってくる。
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