音と人と戦争と
ワーグナーの音楽に心酔している人を「ワグネリアン」と言う。ワーグナーはドイツ人で、ヒトラーがワーグナーを愛好したために、イスラエルではワーグナーの音楽の演奏は未だに禁止されている。コッポラの映画「地獄の默示録」で、「ワルキューレの騎行」を鳴らしながら、武装へりがベトコンを攻撃するシーンがある。イカれたアメリカの空の騎兵隊長のいつものやり方は、「戦争にこだわりとかあってたまるか!」、と言わんばかりで、ベトナム戦争の虚しさの実体を効果的に演出したシーンだ。
さて、礼拝堂の音楽で、礼拝堂の復活祭の前の週に3日間だけ歌われる[秘曲]と言われる音楽の中に「ミゼレーレ」という五声、四声の合唱からなる歌がある。グレゴリオ・アレグリが作者で、システィーナ礼拝堂の歌手もしていた。この「ミゼレーレ」をボーイ・ソブラノに歌わせる。声変わりがしないように喉の手術をしてしまう。ヒトラーは、この高い声の音で人を狂わせる兵器として用いることを実践していた。映画の題名は思い出せないが、映画にもなった。モーツァルトが1、2回聞いて譜面に起こしたという、天才振りを綴った話しもある。 高い音は不快、低い音は眠気を催す、様々な音に関した専門書もあるほど、生物と音とは切り離せない関係がある。「システィーナ礼拝堂の音楽」のパロット盤を見つけた。「ミゼレーレ」を聞いてみて下さい。
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