平日昼間に歩く人々
【取材・文・撮影=鶴田弥生】
北九州市が提供するスマートフォンアプリに「GO!GO!あるくっちゃKitaQ」がある。特に運動実施率の低い傾向にある、働き盛りや子育て 世代を中心に、このアプリでウオーキングの普及や啓発を行うことで、市民全体の運動実施率を向上させて健康寿命の延伸を目指すという。
戸畑区を車で通る際にずいぶん前から気になる看板があった。
「とばた一万歩コース」
なぜ歩く気になったのかは、筋肉痛を感じる今となっては自分でもわからないけど(おそらく新型コロナウイルスのせいで時間ができたから気分転換したかったのだと思う)金毘羅山を登り、頂上の金毘羅神社から折り返すコース。
指定のコースをお行儀よく行けば良かったのかもしれない。各分岐点で、身体のきつさよりその都度好奇心が勝ってしまい、急な階段をずっと上り息を切らすことになったり、結局かなり大回りになる道を選びどこに出るかもわからず不安になったりもした。コースからもずいぶん外れた。
そんな道中で驚いたことがある。整備された遊歩道の多さや森林浴の気持ちよさよりも驚いたことが。
平日の昼間、こんなにウォーキングしてる人がいるんだ!!!
ということ。途切れることなく出会う、慣れた様子で山を登ったり下ったりしている人々。金毘羅神社では数十名の人がストレッチをしたり、しばしの休憩、山頂からの景色を楽しんでいた。あまり健康的でない毎日を送る私には、この健康的な光景がまぶしかった!
犬の散歩をしている人もいて、昨年亡くなった愛犬を思い出し、連れてきてやりたかったなぁなんて思ったりもした。それにしても、急な階段や坂をみんなグングン歩いて行く。私より20も30も年齢を重ねていそうな人から、何度も抜かれ、先を行かれた。そして「そのシューズはMIZUNOやね。一緒よ」とニヤリ。そんな余裕のチェックまで入れてくる。元気だ。健康だ。この地域の高齢者万歳!!と思いながらも、私は手を上にあげる力は残っていない。
そうそう、新型コロナウイルスの影響で部活が学校でやれないからだろう。山道を走る中高生の姿も見た。私にとっては以外な場所に集う人々だった。
「GO!GO!あるくっちゃKitaQ」には登録者たちによる歩数ランキングがある。ランキング上位者たちは今日も歩いているんだろうなぁ。私を追い越していった誰かかもしれない。
MAPは使わず、立看板を頼りに、ちょっと冒険気分も味わえたウォーキングになった。
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