ロック・バンドはライブ、ステージがすべてなのかも知れない。

ブリティッシュ・インビションの中で、マニア好みのグループといえる“キンクス“。代表作は初期の「ユー・リアリー・ゴット・ミー」や「オール・デイ・アンド・オール・オブ・ザ・ナイト」となるだろう。
もっと評価されていいのに、素晴らしいアルバムを残しているのに、とファンの声が聞こえてくる。デビューした初期の頃にはキンクスらしいR&Bが強烈に気持ちを揺さぶった。
どんなグループもだが一発目、二発目、その後にどう変質していったかが、長年の活動の評価の高低となる。
ストーンズにしろ、ビートルズにしろ、その後の変質に違いはあるが、成功している。ストーンズはブライアン・ジョーンズ死後、ミック・ジャガーとキース・リチャードのカリスマ性の強いパフォーマンスが衰えることがなかった。2人のコンビネーションが上手く永く続いたことが、スーパーグループと成したのだろう。
ビートルズは解散がストーンズに比べると早過ぎた。が、短期間の活動の中で、飛躍的なアルバム制作における変化を遂げた。ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの、いい意味でのチーム・ワークがビートルズを変えていったのだろう。ジョン・レノンとボブ・ディランがロックに多大な影響を与えた2人と評価されるほど、ジョン・レノンの詞にメッセージ色が強かった。
さて、キンクスは英国では「らしいグループ」として評価されているのだろうが、アメリカでは「らしさ」が受けないだろう。初期の曲はロック・バンドならば、演ってみたくなるパワーがあるが、それ以降の曲には「乗り」が弱く、演ってみたくはならない。
キンクスにしろ、他のバンドにしろ、演ってみたくなる!を感じさせ「乗り」が弱かったり、演ってみたくなるメロディーでなければ、残念ながら評価は下がる。(自分の経験からの講釈であるが)ロック・バンドの「華」はステージにあり、アルバムを聴くという行為で満足を得ても、それは自分だけの世界で終わってしまうし、それで充分だと思う。

Oimachi Act./おい街アクト

北九州からお届けするエンタメ情報発信サイト。 ひとくせある編集部からクセのある情報を公開!!エンタメ多めに関してはあしからず。更新情報は公式Twitter(@oimachiweb)にてお知らせ。