「溺れる森」。男はミステリアスな森と湖と女に迷い込んでしまった。
男と女は違う。男も、男により違う。仕事に対する考え方、捉え方、価値観の違いは様々。男は、男により女性、恋愛、性に関しての価値観は違う十人十色どころか、「万人万色」。そんな迷いがあるから社会が成り立ち、男も女も生きていけるのだろう。
この映画の主人公は売れない小説家。その男から見た、男、女、映画の視点は4人の違いもミステリアスに映し出す。
友人であるような、ないような男。その男の昔の彼女が、主人公の今の妻。
田舎の湖のある森の中というシチュエーションが、ミステリアスさを効果的に深める。
男に似つかわしくない妖精のような若い女とセックスを楽しむだけで、固執しない男。それでいいとばかりに、あっけらかんとしている若い女。不確実な要素ばかりを知って、主人公は錯乱していく。
妻である女と、元彼氏の男が仲良くしているように見えてくる。妖精のような若い子が自分を誘っているように感じてくる。
小説家と広告代理店を営む男の違いが、女に対する価値観の違いとして描かれていく。
順応出来ないのが自分であるのか、順応する気などさらさらない男の生き方が、楽なのか。女は何も考えていないのか。妻は何を思っているのか。
何が正しい、これが悪だという結論を出さないままに、ミステリアスな世界は終わっていく。深く読んでいかないと、この映画の面白さは見つからない。
美化していた女が、実はあっけらかんと男とセックスを楽しむ女であった。こんな経験を持つ男なら、面白く感じるかもしれない。
●2006年ポーランド映画 監督/マレク・ガイチャック 出演/マグダレーナ・ポチャルスカ/ズピグニマク・カレタ/他
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