「エリック・バードン・アンド・ジ・アニマルズ」のDVDを観ると、黒人になる日が来るまで、エリック・バードンは歌う。それは祈りでもある。
エリック・バードンは、ビートルズ以上とかストーンズよりは、などの意識は強くは持ち合わせていなかったように見える。
彼にとって一番残念だったのは、自分が黒人に生まれてこなかったことに違いない。その辛さ、寂しさは、どう人気が出たところで補えない。これは彼にとっての苦しみであったのではないか、とさえ思える。
いつか自分が黒人になれる日を願って、エリック・バードンは唄っている。彼にとっての「祈り」であるのかもしれない。
エリック・バードンが今尚、精力的に活動を続け、CDを出し、ライブを積極的に行っている姿は、僕にとっては黒人的なのだ。
黒人に近づけるまで近づきたいヴォーカリスト。それがエリック・バードンだ。
もしアニマルズがオリジナル・メンバーで永く活動をしていたら、ビートルズやストーンズ以上のスーパー・グループになっていただろう。
このDVDを観るとアニマルズへの評価をそう言葉にする人が出てくる。
確かにオリジナル・メンバーによる初期の作品は、白人グループの中で異色の個性と実力を持ち合わせていたことが理解できる。
映像は断片的にはあるが、アニマルズがどういう風に結成され、どんな風に凄いグループとして成長したのか、又、どういう風に恵まれないグループで、どうして解散していったかを映し出している。
ジミ・ヘンドリックスとの交流、彼に対するエリック・バードンのジミ・ヘン像を語る言葉を知ると、「そうだったのか」と理解する部分も多い。
ファンにとっては残念な「解散」であるが。
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