【BYRDS=BY+RDS 今でもバーズが好きですが…。Vol.2】ジーン個性の強いメンバーが進化していく

バーズのメンバーチェンジの激しさは、彼らが実験的要素の強いバンドであった為である。その中から、特筆すべきメンバーを紹介していくことにする。
まずリーダーのロジャー・マッギン。彼はティンパンアレー通りで当時の歌手に曲を提供していた演奏家兼作曲者。バンジョーも弾きこなし、そのピッキング奏法でリッケンバッカーの12弦ギターを弾く為に、独創的なサウンドになっている。ジョージ・ハリスン(ビートルズのメンバーであった)が弾いていたのを見てヒントを得る。やがてMr.リッケンバッカーの異名をとるまでになる。メロディ・メーカーであり、ロジャー・マッギンのCDを弾いていると、間違いなくヒットするような曲を沢山聞くことができる。単なるヒット・メーカーはあえてならず、絶えずグループのサウンドを進化・変質させていくアイデンティティがバーズの根源にあった。ジョン・コルトレーンを良く聴いていたと言われる。サイケデリックなアルバム、例えば「霧の5次元」では、コルトレーンの”何か”が反映している。
バリー・マクガイアーの「明日なき世界」はベトナム戦争の反戦歌として大ヒットした。作曲は19才だったP.F.スローン。この曲はバーズの為に作られた曲と言われる。が、ロジャー・マッギンがこの曲を拒否したのは有名な話。政治色を嫌っていた人であったと思われる。メンバーのデビッド・クロスビーは、バーズのハーモニーに素晴らしい貢献をした重要な人物。バーズを脱退したデビッド・クロスビーはCSN(クロスビー、スティル&ナッシュ)で活躍をすることになるが、その彼がステージで政治的な発言をすることに対して、ロジャー・マッギンはとても嫌っていたそうだ。
ロジャー・マッギンは実にアイデアが豊富で、音楽家としてロック、フォーク・ロックをどういう形で進化させ、変質させていくか?これに徹していたようだ。この徹底したチャレンジ精神が、やがてカントリー・ロックという新しいジャンルの音楽を生み出す環境へと、彼を導いていくことになる。
忘れない内に記しておかなけれ。モンキーズというアメリカのグループがいた。当時、アメリカはビートルズに対抗するために、コンピューターを用いて人気グループを作るということを実践し、それでモンキーズのメンバーは決まり、テレビを用いて売り出していく。いわゆる意図的にアイドル・グループを作ろうとした訳だ。この音楽業界の仕掛けに対して、バーズが珍しく”批判”的な気持ちをぶつけたのが、「ロックン・ロール・スター」。クリス・ヒルマンのベース・ラインが当時、話題になった。クリス・ヒルマンはカウボーイでバンジョーやマンドリン、ギターを弾かせたらスゴ腕のカントリー・ボーイ。当然だろう。

Oimachi Act./おい街アクト

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