邦画の名作「麻雀放浪記」
ギャンブルの中でも麻雀。
麻雀と恋愛のどちらをとるか?
こう聞かれたら僕は「麻雀だよ」と
若かりし頃は答えた。
齢をとると麻雀をする体力が失せる。
やり出すと止められないから、
死ぬまでやり続けるかもしれない。
麻雀には運が流れていること。
人生にツキがあるということを
知ることが出来る。
勝てない時は腕が良くてもツキがないから。
下手な人でもツキで勝てる時がある。
ある意味、不条理である。
だから麻雀には測り知れない哲学があり、
どうしたら早く、大きくあがれるかの読みの連続で、
刻々と時が流れ流れていく。
他のギャンブルとの違いは
4人の中に勝つ者と負ける者が
必ずいるということ。
麻雀の打ち方に性格が出るのも面白い。
性格はその人の運の強さ
そのものを表すことがある。
理論、論理が先行している人、
知らずに自分の弱点を口にする人、
負けてたまるかと根性で勝とうとする人、
キレいな役でいつも上がりたがる人、
気の短い人、
あきらめの良すぎる人、
ツキの流れに添って勝負をしていく人、
実に様々な性格の人がいて、
その性格が会社、広くは社会をも
形成しているのかと思うと同時に、
これにその人の運がプラスになったり
マイナスになったりするのだから、
出世、失脚は当たり前でもあると実感する。
映画「麻雀放浪記」は1984年に
イラストレーターの和田誠が監督した。
原作は阿佐田哲也のベストセラー小説。
真田広之、高品格、加賀丈史、名古屋章、加藤健一が
麻雀に信じられないほど明け暮れる。
そりゃそうだろう。
皆、麻雀で飯を食っていくことで生きているギャンブラーだからだ。
戦後の日本においては
アウトローはヤクザと紙一重的な生き方をしていた。
高学歴の人でも仕事がなかった時代。
九大卒、元教授、元教師、
そんな人がアウトローの世界に
うごめいていた。
この北九州、
小倉には競輪場もあったし、
日雇いの労働者が
門司港で冲仲士の仕事もありつけた。
血液が180㏄で7~800円で売れていたし、
パチンコプロの組合もあったほどだ。
麻雀は頭を使う、考える、
カンを働かせる、工夫をする、
相手3人を捨て牌で引っかけ
負かすツキを逃さないようにする、
ツキを呼び込むようにする、
相手の手の内を捨て牌で推測する、
眠気と戦う、
相手が気がゆるんだ時のチャンスをモノにする、
人生そのものだ。
『麻雀放浪記』
1984年作品
監督・脚本/和田誠
出演/真田広之、高品格、加賀まりこ、大竹しのぶ、他
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