「タクシードライバー」は想い出の映画になってしまった。 ヒット作が色あせていくのがハリウッド映画だ
映画「タクシードライバー」は
1976年公開のアメリカ映画。
今から約45年前の映画であり、
その時代においては異色作として注目された。
今観ると、
この映画の面白さが解からない人も多い。
それはその時代背景を感じることが出来ないから、当たり前のことでもある。
ハリウッドで作られる映画は
決して芸術性を作品に求めないので、
そこがフランスやイタリア、イギリスなどの映画と根本的に違うと知るだけでも価値はある。
ロバート・デ・ニーロの時代が、
この「タクシードライバー」から
始まった。
「ゴッド・ファーザーPARTⅡ」、「レイジング・ブル」、「ディア・ハンター」「レナードの朝」…。
役作りのこだわりが徹底していたので、
前記した良作が生まれたのだろうし、
それまでのハリウッドには珍しい
個性派役者もあったので、
彼の作品は耐えず期待され続けた。
この作品はベトナム戦争から帰還した
元海兵隊員のPTSD状態が、
様々な異様な行動、
多くの事件を巻き起こした
当時のアメリカの社会問題が底辺にある。
それを苦しみとしてではなく、
むしろヒーロー的に映画では、
デ・ニーロも役作りをしているのが
公開当時は目新しかったので、
変質的な主人公が
生き生きと映し出されている。
それが
「タクシー・ドライバー」の面白さだった。
この時代の男優の人気どころは、
クリント・イースト・ウッド、
アル・パチーノ、
ジーン・ハックマンなど。
国家権力側に立つヒーローが活躍するか、
国家権力の餌食となり屈折したヒーローの悲劇を、ハリウッド的に娯楽色っぽく描いた映画が多い時代であった。
「俺たちは天使じゃない」で
共演したショーン・ペンは
デ・ニーロに影響された。
が、その後のショーン・ペンの存在は、
デ・ニーロには及ばなかった。
デ・ニーロの最高傑作は
「レイジング・ブル」である。
「タクシードライバー」
(1976年アメリカ作品)
監督/マーティン・スコセッシ
出演/ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ジュディ・フォスター、他
脚本/ポール・シュレイダー
0コメント