映画作りの基本は、フランスのヌーヴェルヴァーグに影響を受けた古い作品で学ぶことが出来る

映画監督の頭の中は、
映画撮影中は頭が映画のことで一杯になり、
「観客のために」などとの思考は出来ない状態になる―。

イタリアの映画監督、
ベルナルド・ベルトルッチは
晩年のインタビューの中でこう語っている。

ベルトリッチ監督は詩人で、
文学の世界から映画の道へと進んだ。
若干19歳で映画を撮り始めた。
フランスのゴダール、
トリフォーらのヌーヴェルヴァーグに感化され、
”映画マニア”から脱却して監督になった。

 「ソドムの市」などで知られる
ピエル・パオロ・パゾリーニ監督の影響を受け、
無名の人、無名の役者を使うことで
映画のエンターテイメント性を
極力排除していくことなど、
後々の監督にも影響を与えることになった。

編集の段階になると、
「観客のために」手直しが始まるという。
セリフも変えることがあり、
自分を通して観た世界を観客がどう観るか?
というテーマと向き合う作業が編集であると言う。

そんな監督の性格や編集過程における
”こだわり”を知らずして、
カメラマンは務まる訳がない。

レンズの種類も変え
様々なアングルで撮り溜めしておかねばならない。
編集で作る見せ場のためにも、
ワン・シーンで数多くのパターンのフィルムを蓄えておかなければならない。

これが監督とカメラマンが
一体化することの大切さで、
優れた作品はカメラマンの監督、
また作品への読みが解からなければ成り立たない。

前記したエンターテイメント性を極力排除していく方法は、
クリント・イーストウッド監督が
「15時17分、パリ行き」で試みた。
作品の評価は観た人によって違うが、
これも映画作りの手法のひとつだ。

スピルバーグも
この方法に似た手法を用いた。
初期作品の「激突」、「未知との遭遇」「E.T」では知られざる俳優を起用した。

 「アルジェの戦い」という
アルジェリアの10年間に及ぶ、
フランスからの独立戦争を描いた
ジェロ・ポンテコルヴェ監督は
出演者に素人を起用して映画を作った。

この作品はリアリティ感にあふれた
ドキュメンタリーのようだ。

日本では「人間蒸発」で
今村昌平監督が試みた。

脚本、カメラ、監督が優れていたら、
低予算でも映画は作れる。
そして素晴らしい作品となることもある。
役者が3、4人で、
しかも無名であっても秀作が出来る。
日本の若手監督にもチャレンジして欲しい。

ベルトリッチの代表作は
「ラスト・エンペラー」

「1900年」

「ラストタンゴ・イン・パリ」

など。

Oimachi Act./おい街アクト

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