ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番<皇帝>。ルプーとグレン・グールドで聴き比べ

今さら人に聞けない話。
クラシックの交響曲と協奏曲の違いは?

協奏曲には
ピアノやヴァイオリンのソリストがいるが、交響曲はソリストがいない。

それだけは知っていた方がいい。

今回はベートーヴェンの
ピアノ協奏曲の中でも
最も素晴らしいといわれる第5番<皇帝>について。


<皇帝>という呼び名は
ベートーヴェンが付けたものではない。
名前の由来には2つの説がある。

ひとつは、
クラシックのピアノ協奏曲の中でも、「皇帝」の地位にふさわしい内容。
スケールの大きさをもつ”風格”があるという説。

もうひとつは、
その曲のイメージがまるで「皇帝」を連想させるような男性的で雄々しいからという説。


ベートーヴェンが
39歳から翌年(1809年)にかけて作曲されたものと伝えられている。

確かに交響曲にピアノが入ったような絢爛豪華な仕上がり振りは、実に雄々しい。

その後、
ブラームスなどにも影響を与えている。
バックハウスの「皇帝」が名盤とされているが、ここではラドゥ・ルプー盤をおすすめしたい。

イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団指揮
ズービン・メータ。
ルプーはルーマニア出身の名ピアニストで
実に繊細で美しく、それまでの「皇帝」の
イメージを一新している。

録音嫌いという定評を持つルプーの名盤が、
ようやく再発されたのでおすすめしたい。
もう一人のピアニスト、グレン・グールドの「皇帝」も一聴に値する。
「ピアノをオーケストラの中の楽器のひとつ
として弾いている」という言葉に、グールドならではの解釈が見られ、とても優しい「皇帝」に仕上がっている。
グールドはピアニシズムを嫌っていただけに、この「皇帝」はグールドが、まるで作曲者のように感じられるから面白い。

ロックで言うなら、
リード・ギターがしゃしゃり出る曲ではないよ、ということ。
バンド全体のバランスあってこその”一流バンド”ということだ。

Oimachi Act./おい街アクト

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